2022.10.04

コンクリート診断士試験(2022年度)に一発合格した勉強方法および記述解答再現

2022年度のコンクリート診断士試験に一発で合格できました。

四択問題の正解は28/40(正解率70%)でした。

この記事では今後、受験される方のご参考までに勉強の内容の記録を残しておきます。

 

【勉強方法】

様々な市販の教材や、関連するYouTube動画、合格者のブログ等で勉強しました。

以下にオススメを紹介します。

 

コンクリート診断士試験 四択問題短期集中講座

こちらは写真が多く、入門編におすすめです。

これを取っ掛かりにして、知識をつけたら物足らなくなるので次の書籍へ移行することをオススメします。

 

コンクリート診断士完全攻略問題集2022年版

こちらは問題の解説も詳しく載っているので実力アップに最適です。

付箋を活用して繰り返し活用をオススメします。

 

2021年版コンクリート診断士試験合格指南

こちらは記述問題の過去問が、かなり以前まで載っています。

記述の勉強に非常に役立ちました。

 

YouTube動画 講演「コンクリート構造物の劣化と補修技術」コンクリート構造物の補修・補強に関するフォーラム2018 福岡フォーラム

この動画の内容は、記述問題における実務での考え方の理解を深めることにとても役に立ちました。

他にも様々な施工・調査方法の動画を見まくりました。

勉強するには良い時代になりましたね。

 

行ってクラ コンクリート診断士応援ブログ

こちらのブログは非常にわかりやすく、記述問題のコツの記事を購入して勉強しました。

私にはフィットしました。

 

【勉強時間】

2022年2月ごろから少しづつ勉強を開始し、合計300時間程度は勉強したように思います。

5月までは、主に昼休み時間に勉強しました。

6月からは、昼休み+1時間程度勉強しました。

7月は試験直前に連休を作り、7月だけで100時間程度勉強した気がします。

一級建築士の学科試験の時と同様に、試験直前は忘れていってしまうことへの恐怖が日に日に増しました。

試験月の勉強スケジュールを整えることが、合格のために最も必要な要素だと思います。

 

【四択問題の勉強の仕方】

四択問題は問題集を何度も繰り返し、覚えられない内容は問題と解答を書いて覚えました。

手書きでノートを2冊埋めました。6月までは四択問題に集中しました。

【記述問題の勉強の仕方】

どこから手をつけていいかわからず焦っていた時に、行ってクラ ブログで購入した記事が非常に役立ちました。

本番では、建築の問題を選択することを事前に決めていました。

ただし勉強中は土木の問題にも触れておきました。

流れとしては、初見の過去問を手書きで挑戦したのち、PCで記述解答例のトレースをしてから

再度、過去問を手書きで解きました。

記述の勉強で辞書のように公式の参考書を使用しました。

【本試験での実際の記述解答の再現】

私自身、試験勉強をしていた時に、試験本番の記述の解答について悩みました。

どの程度のクオリティが必要なのか、どの程度まで間違っていても大丈夫なのだろうかと気になっていました。

以下に、実際に本番で提出した記述の解答の再現を記載します。

本番中に問題用紙に半分以上メモして、当日の夜に再現したものなので、ほぼ完全な再現です。

本番中、一字一句見直したおかげで誤字も5つくらい修正できたのはラッキーでした。

また本番で記述に取り掛かったのは14時半ごろでした。

16時には書き終えました。用紙のマス目がのこり3マス程度まで書きました。

では以下に記述解答の再現を記載します。

あとで問題と照らし合わせてみると、間違っていた部分ももちろんあります。

どこが間違っているかまで見破れた方はきっと試験に合格できると思います。

 

【コンクリート診断士2022記述問題(建築)解答再現】

【問1】写真1、2のA部に見られる気中部分での断面欠損、骨材露出、白色の物質が付着している変状の原因は科学的侵食であると推察する。具体的な推定理由は、まず、強い硫黄臭があることから、近隣の食品工場から排出される汚水に遊離脂肪酸が含まれており、硫化水素が発生している可能性が考えられる。硫化水素が気中の硫黄酸化細菌の影響で硫酸となり、A部に凝集結露したことから、コンクリート表面が激しい劣化作用を受けて、断面欠損、骨材露出、白色の物質の付着が生じたと考える。また、その裏付けとして、硫酸イオンがコンクリート中の水酸化カルシウムと反応することで、白色の物質(石こう)が生成されたと推察する。コンクリートの常時水中の部分と水面から上の気中部分で変状の程度に差が生じる原因は、硫化水素が硫酸となるための硫黄酸化細菌が好気性のため、気中に存在し、水中には存在しないためであると考える。

【問2】写真3のB部に見られる鉄筋の発錆と露出の変状が生じた原因は、コンクリートが中性化し不動態皮膜が破壊されたことによる鉄筋の腐食膨張であると推察する。具体的な推定理由は、変状の見られる鉄筋のかぶり厚さが20mmと、コンクリート部材の概要に示される平均30mmよりも少ないことから、B部柱周辺の他のコンクリートに目立った変状がなく、かぶり厚さ20mmの箇所のみ鉄筋が腐食膨張したと考える。また、近傍の曝気槽で有機物を分解し、発生した二酸化炭素が、柱周辺のCO2濃度を高くしていることも中性化および鉄筋の腐食膨張の原因であると考える。

【問3】A部およびB部の変状の発生原因の特定に必要な調査項目を3つ示す。①ドリル法による中性化深さの調査。②自然電位法による鉄筋の腐食範囲の調査。③分極抵抗法による鉄筋の腐食速度の調査。

この施設を今後30年間使用するための補修方法を提案する。A部はウォータージェットで劣化した範囲をはつり取り、亜硝酸リチウム含有ポリマーセメントモルタルで断面修復し、表面をエポキシ系樹脂で被覆し、硫酸による再劣化を防止することを提案する。B部は鉄筋腐食範囲のコンクリートを鉄筋裏まではつり取り、A部同様の材料で断面修復し、曝気層近傍のコンクリートを、ケイ酸塩系含浸材で緻密化し、CO2対策とアルカリ性付与する補修方法を提案する。

 

(約995文字)

 

ここまで読んでいただきありがとうございました。

私も新たな勉強に励んでいますので、お互い頑張りましょう。